不動産と家族信託について

家族信託について

江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。

本日のテーマは「不動産と家族信託」についてです。
参考にして下さい。

家族信託とは?

家族信託とは、信頼できる家族に財産を預けて、目的に従って管理して貰うことが出来る仕組みです。

ご両親・配偶者・兄弟等が「認知症」となる前に、家族に不動産等の財産を預けるという選択肢について考えてみましょう。

認知症について

認知症になる可能性

高齢者の約4人に1人は認知症または軽度認知障害(MCI)(2012年時点)
約7人に1人は認知症(2018年時点)

引用元:厚生労働省ホームページ・認知症施策推進大綱
https://www.mhlw.go.jp/content/000519053.pdf

上記の通り、2018年時点で高齢者の約7人に1人が認知症になる可能性があるわけです。
その為、認知症のリスクについて知っておくとともに、備えをしておく必要があります。

認知症のリスクとは

認知症になると下記のようなリスクがあります。

  • 預貯金が引き出せない。
  • 不動産は売れない、貸せない、メンテナンスが出来ない。
  • 自社株について対策がとれないので会社運営が出来ない。
  • 遺言書が書けない。

認知症になって意志判断能力が失われると上記の通り財産が凍結されてしますリスクがあります。

金融機関・司法書士・不動産事業者も対処出来ない
  • 金融機関は、本人の意思確認ができないと定期預金の解約は出来ない。
  • 司法書士・不動産事業者は、本人の意思確認が出来ないと不動産の売却ができない。

成年後見人制度

「成年後見人制度」とは、認知症や精神障害など、判断能力が十分でない人を支える制度であり、判断能力が不十分な為に、財産の侵害を受けたり、人としての尊厳が損なわれたりすることが無いように、法律面や生活面で支援する仕組みです。

成年後見人制度の問題点

  • 管理の負担が大きい。
    (裁判所への定期的な報告・専門家に対する報酬負担など)
  • 資産運用・相続税対策や家族の為の支出が出来ない。
    (本人の為の財産管理・保全の趣旨に合わないと裁判所の許可がおりない)

成年後見人制度は管理の負担が大きく自由度が低い為、家族信託が注目されている。

家族信託のイメージ

リンゴの木

~信託のイメージは、リンゴの木とリンゴの実~

「委託者」が所有しているリンゴの木の管理を「信託財産」として「受託者」に信じて託すことが信託の仕組みです。

リンゴの木で例えると、「委託者」はリンゴの木の世話を「受託者」にお願いし、リンゴの実が生ったら送って下さいと頼みわけです。

「委託者」=「受益者」であるため、「受益権」を持つ「委託者」はリンゴの実を送ってもらいます。

委託者

財産の所有者、財産を託す人

受託者

財産を託され管理・運用・処分する人

受益者

財産の運用・処分で利益を得る権利(受益権)を有する人

家族信託の具体例

ケース①一軒家から老人施設へ移住する

古家に1人暮らしをしている83歳の女性(子供1人)

そろそろ安心出来る施設への移住を検討している。
家はそのままにして、将来必要があれば貸しても売っても良いかな…と考えている。

このまま、認知症などで意識低下になると、自宅は売ることも活用することも簡単には出来なくなる。

家族信託を活用すると

子供が受託者となり、信託契約を締結すれば、自宅を「信託財産」として管理することが出来るようになり、受託者である子供が自宅を処分・活用することが出来る。

ケース②高齢者不動産オーナーの資産管理

アパート二棟を自主管理している82歳の男性(子供2人)

賃貸借契約などは父の代わりに子供たちがサイン(代筆)している。

このまま、父が万が一、意識判断能力がなくなると、大規模修繕・売却・建替え・賃貸借契約・管理委託契約等の判断が出来なくなる。

家族信託を活用すると

子供たちが、将来引き継ぐ物件ごとに信託契約を締結すれば、各々受託者ごとに、大規模修繕・売却・建替え・賃貸借契約・管理委託契約等の判断をする事が出来る。

ケース③中小企業の事業継承

全株式を所有している創業者85歳の男性(子供1人・孫1人)

子供と孫を後継者に考えていて、年齢的に認知症対策の必要性を感じている。

このまま、創業者の意識判断を出来なくなると、議決権行使が出来ず、会社の重要決定が出来ない。生前贈与は、経営権を渡してしまうことや贈与税に不安がある。

家族信託を活用すると

会社の株式を「信託財産」とした「信託契約」、経営権は現社長(子供)に持たせる。父が元気なうちは指示できる設計にする(指図権)。
財産権は父の元に残る為、贈与税の問題は生じない。

家族信託によるリスク

委託者に意識判断能力がなくなった後、受託者である家族に悪意があると、受託者が容易に自分の為に財産を処分したり活用することが出来てしまう。

その為、「信託監督人」や「受益者代理人」というような第三者機関を置く必要がある場合もあります。

家族信託は、決して万能ではありません。
ケースによっては、家族信託以外の選択肢が向いていることもあるでしょう。

まとめ

  • 家族信託とは、判断能力が衰えてしまっても信頼できる家族が財産管理を継続出来る手段として、成年後見人制度に代わる選択肢と言えます。
  • 資産家や事業経営者に限らず、誰でも利用出来る仕組みです。
  • 家庭裁判所・信託銀行を介在させることなく、家族間の契約等で作れる自由な制度です。
  • 家族信託は、決して万能ではありません。
    場合によっては、第三者機関をおいて管理する必要がある為です。

「家族信託」は信頼できる家族だから託す事が出来る手段と言えるでしょう。

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