タワーマンションの注意点とは?
江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。
本日のテーマは「タワーマンションの注意点」です。
参考にして下さい。
目次
タワーマンションは憧れだった!?
一昔前まではタワーマンションと言えば、憧れの存在でした。
2000年代前半のITバブルの時は、六本木ヒルズに住んでいるIT長者たちはヒルズ族なんて呼ばれていましたね。
タワーマンションは、そんなIT長者たちのステータスそのものでした。
あれから20年が経ち、現在のタワーマンションの立ち位置はどうなのでしょうか?
増え続けているタワーマンション
タワーマンションが急激に増えるきっかけとなったのは、1997年の建築基準法の改正で容積率や日影規制が緩和された為でした。
その後、2008年のリーマンショック後や2011年の東日本大震災の影響で下火になった時代もありましたが、2019年以降に完成見込みの超高層マンションは300棟、戸数は11万戸以上となりました。
首都圏でみてみると、183棟、約8万4千戸の数となり、全国の7割以上のシェアとなっております。
今は、新築マンションを購入する人の5人に1人がタワーマンションを購入するという時代となりました。
タワーマンションの水害リスクとは
2019年10月の台風19号等の影響により、タワーマンションの水害リスクが話題となりました。
JR武蔵小杉駅(川崎市)の近くにあるタワーマンションが、台風の影響で地下3階まで浸水してしまった結果、地下にあった電気設備が故障してしまいました。
結果、エレベーター・排水設備がダウンしてしまい、高層階に住んでいる方は、トイレの度に、階段で昇り降りケースもあったようです。
また、給水用のポンプも電動式のためダウン、多くの住人に影響が出たようです。
タワーマンションには大規模な配電設備が必要です。
その配電設備のスペースを確保する為に、地下を利用することが一般的であり、今回のようにいざ災害が発生したときに、タワーマンションの脆弱性が浮き彫りになったのです。
私自身、2019年10月の台風以降、お客様にマンションをご案内するときには、地下に設備がないか、ある場合は水災の被害への対策はあるのか事前に管理会社に確認をするようになりました。
復旧への壁とは?
今回の武蔵小杉のタワーマンションのように、被災してしまったマンションの復旧は簡単にいきません。
復旧へは壁が立ちはだかります。
地下の共用部の修繕工事費をどう捻出するのか、電気設備等の高額な費用がかかるものを組合が負担する場合は、区分所有者の合意が必要となり、大規模滅失の復旧の場合は、総会で3/4以上の賛成が必要となります。
メンテンナンスリスク
タワーマンションの場合は、12~15年ごとに行う大規模修繕工事に多額の費用が必要となるケースが多く存在します。
国土交通省のマンション総合調査(2018年度)によりますと、20階建て以上のマンションの内、修繕積立金が、必要な金額の計画より不足しているのは28%。
管理費などの滞納は40%となっているようですから、資金不足のタワーマンションも多いようです。
高層階と低層階で対立?
築30から40年くらいでの交換が多いエレベーターや機械式駐車場は、多額の積立金が必要となります。
その負担を巡り高層階と低層階で対立することもあるようです。
修繕金が不足する場合は値上げが必要となり、住民が多いタワーマンションでは、負担する金額等も多く、合意形成はより難しいケースもあるようです。
総会の議決権に配慮
総会での議決権については、各住戸の価値割合に連動した設定も考えられるようです。
国交省は2016年、マンションの標準管理規約を改定し「高層階と低層階で価値の差が大きい場合については、議決権に差を設けることも選択肢」であるとの解説を追加しました。
今後増えていくタワーマンションに対する配慮と言えるのではないでしょうか。
まとめ
国内で最初のタワーマンションが誕生したのは、今から約50年前の1971年です。
古いタワーマンションが増えてくるであろうこれからは、修繕工事が本格化していくことでしょう。
各タワーマンションの修繕動向に注目したいと思います。
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