マンションの購入検討には管理状態の分析が必須!

マンション購入検討には管理状態の分析が必須!

江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館の金野(コンノ)です。

本日のテーマは「マンションの管理状態の分析」についてです。

参考にして下さい。

マンション購入は管理状態の分析が必須

わかりやすく事例をご紹介しながら解説していきましょう。

都内にある築20年ほどの中規模マンションの購入を検討しているAさん。

販売価格や立地としての資産価値についての分析を行い、両方とも「妥当」という結果だったため、具体的に購入について前向きに検討されている状況でした。

管理費・修繕積立金に懸念あり

但し、気になる点がありました。

Aさんが分析の際に使用したシステム「セルフィン」で、「管理費が割高」「修繕積立金が割安」という判定結果が出ていたのです。

分析に使用したシステム「Sel-FIn(セルフィン)」

物件の価値やリスクを一瞬で判断
https://self-in.net/rlp/index.php?id=edogawa01

セルフィンは、消費者自らが物件のAI査定を行うことが出来る便利ツールです。

【セルフィンでわかること】

  • 価格の妥当性を判定
  • 対象不動産の流動性を判定
  • 立地による資産性を判定
  • 住宅ローン減税の対象か否かを判定
  • 建築年から耐震性を判定
  • 管理状況の良し悪しを判定(マンション)
  • 土地の資産性について判定(戸建て)
  • 全国マンションデータベースを閲覧可能
    マンション偏差値・推定売却価格
    過去の販売相場・過去の賃料相場

エージェントが管理状態の分析を実施

相談を受けていたエージェントは、マンション管理組合から「重要事項調査報告書」を取り寄せ、内容を分析しました。

ずさんな管理状態が明らかに

管理費が割高な理由は役員報酬が原因

取り寄せた資料を分析してみると、管理費の内訳として、理事長や理事に対して役員報酬が支払われており、各住戸の負担額は毎月数千円の負担となっていました。

役員報酬を設定すること自体は、総会の承認決議を経れば任意で設定が可能ですが、それでも一般的な報酬額と比較すると高めの設定になっていました。

各住戸の負担額からしても、少し納得のいかない金額です。

大規模修繕工事の予算は足りていない

大規模修繕工事の長期修繕計画を確認すると、将来の大規模修繕の際には予算が不足しそうな見通しです。

このことについて詳しく確認したところ、次の総会で理事の役員報酬が下げられ、修繕積立金を上げる議案が提出されている、とのことでした。

その点が無事に解消されれば、管理状態も改善され、将来的にも安心ですねというお話しでした。

総会でまさかの改善見送り

ところが、その直後の総会で、役員報酬の減額案は否決、修繕積立金は据え置きとなってしまったのです。

これには、Aさんも担当エージェントも驚きです。

管理費の引き下げと修繕積立金の増額が否決されるということは、マンション居住者の皆様が、理事に対して役員報酬を負担し続けることを望んでいる一方で、将来の大規模修繕についてはあまり積極的ではない、という判断をしたということになります。

一般的な管理の方針からすると、180度正反対の判断になります。

さらにやや穿った見方をしてしまうと、きちんとマンション居住者の意向が反映されていない、もしくは、一部の役員の意向が押し通されてしまっているのでは、といった総会の運営が適正に行われていない可能性が否定出来ません。

勇気ある撤退を選択

このような経緯を踏まえて、Aさんは将来の管理状態が不安だということで、残念ながらこの物件の購入は見送るという判断となりました。

賃貸と売買の違い

お住まい探しにおける「賃貸」と「売買」の大きな違いの一つは、資産性について考える必要性がある、という点が挙げられます。

「賃貸」の場合には、住みやすさと家賃のバランスを考えるだけでも良いと思いますが、「売買」の場合には、将来の資産性や管理・修繕についても気をつける必要があります。

管理状況の良くない物件を購入してしまうと、将来の資産価値に影響してしまい、結果的に
大きな損失となってしまう可能性があるからです。

もちろん、「売買」の場合にも、住みやすさ・購入価格も重要な判断材料ですが、管理状態や長期修繕計画等の分析もきちんとチェックして判断するようにしましょう。

管理状態の分析をしっかりとしてくれる担当者は少ない

実は、マンションの管理状態をしっかり分析してくれる担当者は少ないです。

その理由は下記の通りです。

  • 忙しい(ノルマに追われている)
  • 開示したら買ってもらえない(ノルマに追われている)
  • そもそも、分析の仕方がわからない(分析という発想すらない)

毎月ノルマに追われている不動産営業マンは、限られた時間で数多くの契約をこなさなければなりません。

そのため、一案件にかけられる時間はそう多くはとれないのです。

言い方は悪いですが、将来のクレームよりも、目先の契約です。

私自身、十数年前は、一介の営業マンとして、毎月ノルマに追われていました^^;

今現在は、買主に徹底的に寄り添う不動産エージェントとして活動しておりますので、マンションの管理状態の分析は必ず行いますが…。

確認事項

  • 重要事項調査報告書
  • 長期修繕計画
  • 直近の大規模修繕工事の内容
  • 管理組合・総会議事録(直近3年分)
  • スラブ内配管か否か 二重床か否か
  • 旧耐震マンション(1981年5月以前の建築確認)の場合は下記を追加
    耐震補強工事の内容
    建替の検討状態

上記のような項目をしっかりと確認して分析してくれる不動産エージェントに相談することをお勧め致します。


江戸川不動産情報館は、買主様の為の不動産エージェント「バイヤーズエージェント」として、今後も不動産関連の情報を発信していきます。

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この記事を書いた不動産エージェント

金野秀樹

【氏名】金野 秀樹(こんの ひでき)

業界歴15年を超えるベテランエージェント!
歯に衣着せぬ提案で、お客様の悩みを解決するのが生きがい。
将来は、不動産業界の毒蝮三太夫?を目指しているというウルトラマン好き(毒蝮三太夫さんは、ウルトラマンシリーズでアラシ隊員・フルハシ隊員を演じました)の特撮育ちでありながら、意外とロマンチストな一面もあり。
「お客様に心強い」と言われることに喜びを感じつつ、常に緊張感を忘れないように心掛けている。
日々、新しい知識を求めており、様々な記事・書籍・セミナー等で法改正情報や知識を収集するのが「ライフワーク」である。
サービス精神旺盛なのか、ネガティブ情報も含め、徹底的に情報開示をする為、提案時間は長め(平均3時間)である。勿論、お客様のご予定に合わせて時間は調節していますのでご安心下さい。

【資格】上級宅建士・2級ファイナンシャル・プランニング技能士(AFP・日本FP協会認定)等
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