ヴィンテージマンションの注意点とは!?
江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。
本日のテーマは「ヴィンテージマンションの注意点」についてです。
参考にして下さい。
目次
ヴィンテージマンション購入検討時の注意点
ヴィンテージマンションとは、どんなマンションの事を指すのでしょうか?
資産価値の観点から、経年によって価値を増す優良なマンションのことを指し示す用語として誕生したようです。
では、実際の不動産市場の現場から見てみるとどうなのか…
例えば不動産広告、築年数が古い物件である旧耐震※マンションをフルリノベーションした物件を指すケースも多くみられ、フルリノベーションを行った物件を良く見せるためのキャッチコピーとして使われることもあり、注意が必要です。
※旧耐震とは、1981年(昭和56年)5月以前に建築確認がおりている建物
マンションの資産価値の考え方
マンションの資産価値の大半は「ハコ部分」にあります。
ハコ部分とは、建物の立地・管理状況・性能など、優良なハコとしてのスペックがそのマンションの資産価値です。
また、専有部分の形や広さなど、あとから区分所有者の一存で変えられない部分も「ハコ部分」の要素となります。
旧耐震のマンションは、現法での耐震基準よりも耐震性能が劣るので、購入する上では、注意すべき事、覚悟しておく事が多いため、購入する場合には慎重な判断が必要です。
耐震性能に関しては、旧耐震マンションでも、しっかりと耐震診断をマンション全体で行っていて、尚且つ耐震補強工事も済んでいるマンションはその限りではありません。
内装部分の注意点
打ちっぱなしコンクリート仕上げの内装、カフェのようなレトロな雰囲気など、大規模リノベーション物件はデザイン性を全面にPRされることが多いです。
物件のデザイン的な要素は、専有部分の「内装」のもので、マンションの場合は、建物そのものの築年数によらず、専有部分はリフォームする事によって、新築並みの内装にする事が出来ますので、予算があればどんなデザインでも実現できます。
とは言うものの、キッチン・浴室・トイレといった水回りの設備の移動には、配管の関係上、制限があります。
ちなみに、独自性の強い凝った内装デザインは資産価値にはあまり良い影響を及ぼしません。
売りやすい内装は普遍的なデザインのもので、独自性の強い凝ったデザインにしてしまうと、そのデザインに共感する人にしかメリットを感じてもらえなくなります。
つまり、人気のない物件になってしまうということですね。
キャッチコピーに踊らされてはいけない
ヴィンテージマンションの他にも、キャッチコピーで「デザイナーズマンション」という言葉があります。
著名な建築家による凝ったデザインのマンションのことではなくて、実際の営業現場では、オシャレな内装や変わった形の間取りの物件のPRの為のキャッチコピーとして使用されることが多いです。
ヴィンテージもデザイナーズも共通の使い方として、高い工事費(内装・デザイン費)を誤魔化すための意味合いが強いという点があります。
レトロなカフェ風
例えば、フルリノベーション物件です。
先にあげたレトロなカフェ風のデザインを実現しようとすると、一般的なリフォームよりも高額なリフォーム費用がかかります。
そして、一般的な仕様と異なる場合、一般の方では比較検討が容易でないので、リフォーム費用が不透明になってしまうのです。
買取再販業者の考え方
不動産事業者による買取再販物件は、安く仕入れて高く売るのが原則です。
従って、価格が安価な旧耐震の物件などを安く仕入れて、価格を不透明にするためにデザイン性を重視し、実際は安く工事を済ませるという考え方です。
とは言うものの安っぽいリフォームでは高く売る事が困難なため、旧耐震物件をフルリフォームして、旧耐震物件をそこそこの値段で売りつつ、リフォームでも収益を上げようというのが一般的な考え方です。
問題点としては、物件の「ハコ」としての資産価値がフルリフォームで有耶無耶に誤魔化されているという点です。
ちなみに、業者買取の場合の相場は、相場の70~80%くらいと言われています。
リノベ事業者の考え方
買取再販業者ではなく、個人間売買で物件を購入してもらい、その上でフルリノベーションを売りにしている事業者の場合、リフォーム費用を高額にすることが目的となります。
必要なリフォーム予算を確保するために、価格の安い旧耐震マンションを積極的に勧める傾向があります。
全ての事業者ではありませんが…
例えば4000万円の予算だとします。
リフォームなしで住むことができる4000万円のマンションと、物件価格2500万円+リフォーム1500万円の物件とでは、どちらが資産価値が高くなるのでしょうか?
実際には細かな条件が影響しますが、間違いなく言えるのは数年経つとリフォームに費やした1500万円の評価はほとんどなくなります。
つまり後者の場合、2500万円の物件を4000万円で買ったことになってしまうのです。
ヴィンテージマンションの見極め方
ヴィンテージマンションの見極め方は実は簡単です。
ヴィンテージマンションと表現している物件があった場合、どういった理由でヴィンテージなのかを業者に確認してみて下さい。
本当のヴィンテージマンションの場合は、「ハコ部分」の資産価値を語ってくれます。
例えば、旧耐震マンションですが耐震補強工事が済んでいる。
長期修繕計画がしっかりと作成され、修繕積立金も十分に積みあがっている。
もし内装部分の説明しかない場合は、そのヴィンテージマンションの購入は慎重に検討して下さい。
ほとんどの場合はただ単に内装が綺麗、ただそれだけです。
弊社では、セカンドオピニオンサービスをご提供しておりますので、ご検討下さいませ。
中古マンションの資産価値の検討方法
実際に物件探しを始めると、リフォーム済みの物件も多数ありますので、物件の相場がわかりにくくなっています。
さらに中古物件ですから、近々でリフォームをしていない物件の場合は、居住にあたってリフォームで修繕しなければならないものもあります。
中古マンションを検討するにあたって重要なのは「ハコ部分」と「内装(リフォーム)部分」の費用を意識することです。
リフォーム済みやリノベーションと表記された物件については、どれくらいのリフォーム費用がかかっているのかを意識することが大切です。
デザイン性を重視したリフォーム物件は、それなりにリフォーム費用がかかっています。
内装部分をアピールしたいがための「ヴィンテージマンション」という言葉は付加価値を付けようという意図があり、「安い」という概念ではないので、価格設定には注意しましょう。
注文住宅とフルリノベーションは贅沢な選択である
住宅を購入する上で自分好みの独自性の強い凝った内装を実現したいという希望があると思います。
新築分譲住宅(新築マンション・建売住宅)と違って、リフォームで自分好みの思い通りの住空間を実現出来るのは中古物件購入のメリットの一つです。
しかしながら、レトロなカフェのような内装は、不要な人にとっては「落ち着かない」「家じゃない」という感想になります。
覚えておいて欲しいのは、独自性の強い凝った「内装」にかけた費用は消費してしまう、という点です。
内装に凝るのは究極の贅沢な選択なのです。
高額な注文住宅も同じです。
一般的な内装・間取りの価格は適正に評価されますが、イレギュラーなものは高くつくのが世の常なのです。
ハコ部分を妥協してはいけない
「内装部分」を重要視するあまり、「ハコ部分」の値段を下げるというのは本末転倒です。
ヴィンテージとは言えなくても資産価値の維持しやすい「ハコ部分」として成立する最低限の要件を満たした物件を選択する必要があります。
希望エリアの物件を買うには旧耐震の物件くらいしか手が出ないという場合があります。
この場合は、エリアを再検討するべきです。
無理して旧耐震物件を買ってはいけないのです。
ヴィンテージマンションのヴィンテージは「ハコ部分」の要素が強いです。
どうか言葉の雰囲気に躍らされないで、物件の価値を正しく把握するようにして頂ければ幸いです。
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是非ご活用下さいませ。
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