住宅購入時に知っておきたい火災保険の基礎知識 保険金設定・補償内容
江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。
本日のテーマは「住宅購入時に知っておきたい火災保険の基礎知識 保険金設定・補償内容」についてです。
参考にして下さい。
目次
火災保険の基礎知識 保険金設定・補償内容
火災保険の保険金額は、原則として建物を新たに再建築するのに必要な金額(再調達価格)で設定します。
再調達価格は、一戸建ての場合は「住宅建築費」、分譲マンションの場合は「専有部分内の建築費」にあたります。
但し、火災保険の契約締結時に正しく保険金額を設定しても、その後の物価動向により再調達価格は変化します。
その為、5年ぐらいスパンで保険金の設定金額の見直しを行いたいところです。
火災保険金の設定方法
火災保険の保険金を見直しする際の検討方法は、下記の通りです。
火災保険の設定金額は、不動産の取引で使用される流通価格とは、異なる独自の算定方法で算出されます。
具体的には損害保険会社や代理店に、現時点での住宅の再調達価格の算出を依頼して、新たに算出された再調達価格と、保険証券記載の保険金額を比較してみましょう。
大きくズレがなければ、見直しは不要ですが、一方、実情よりも多かったり少なかったりする場合には、実情に合わせた保険金額の修正を新たに依頼しましょう。
火災保険の補償内容
火災保険と一口に言っても、水害や台風等の自然災害への補償の他に、水濡れ損害や盗難など様々な補償があります。
火災保険の商品は、どの損害保険会社でも全く同じというわけありません。
どのような補償内容にするかで保険料も大きく変わってきます。
勿論、補償の手厚さは、保険料に比例しますので、補償を幅広げれば、その分、出費も多くなります。
大切なことは、ご自身の所有不動産のリスク状況にマッチした補償内容で契約することです。
例えば、マンションの高層階なのに、水害リスクを手厚くカバーしてもあまり意味がありません。
しかしながら、近年の自然災害は、ひと昔に比べると想定を超える雨量であるため、一概にマンションだから、水害への補償が不要ということではありませんのでご注意下さい。
例を挙げますと、高層階であっても、ベランダ・バルコニーの排水域を超える程の雨量であれば水が溜まって浸水してくることもありますし、5m~10mの浸水が予想される地域もありますので、低層階であれば浸水する可能性は十分にあるのです。
他にも、土砂災害リスクがあるエリアには注意しましょう。
ハザードマップ等で検討エリアのリスク状況を把握して、補償内容を選択すると良いでしょう。
火災保険料の料率はどう決まる?
各損害保険会社の火災保険料の料率は、損害保険料率算出機構の火災保険参考純率を基に設定されます。
- 保険料率=純保険料率(損害保険料算出機構が算出)+付加保険料率(各損害保険会社が算出)
純保険料率は、都道府県に加え、建物の構造でも異なります。
構造級別は、現在3種類で、
- マンションや耐火建築物の共同住宅の「M構造」
- コンクリート造り建物や鉄骨造り建物、木造住宅であっても省令準耐火建築物(建築基準法で定める準耐火構造に準ずる防火性能をもつ構造として、住宅金融支援機構が定める基準に適合する住宅)と認定される建物は「T構造」
- いずれにも該当しないものは「H構造」
となります。
保険料が最も安いのはM構造で、以下T構造、H構造という順番に保険料率は高くなります。
第三者への損害賠償請求
個人賠償責任補償特約
個人賠償責任補償特約は、被保険者本人とご家族が、日常生活や住宅の管理不備等で他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまった場合、線路への立入り等により電車等を運行不能にさせてしまった場合等の法律上の損害賠償責任を補償します。
自転車運転による加害事故も適用されます。
注意しなければならないのは、隣家への類焼は、個人賠償責任補償特約では補償されないという点です。
これは、「失火責任法」という法律により、重過失や故意でない場合には、失火による賠償責任は問われないとされているからです。
しかしながら、ご自身が出火元となった場合、自宅は自分の火災保険で復旧したのに、隣家の補償はしないとなると、その後、同じ場所で生活しづらいですよね。
いくら、失火責任法という法律によって守られているとはいえ…
そんな場合のための特約が「類焼損害補償特約」です。
類焼損害補償特約
類焼損害補償特約は、ご自宅からの出火により、ご近所の住宅や家財が類焼し、類焼先の火災保険で十分に復旧できない場合に、失火責任法により賠償責任が生じない場合であっても、修復費用の不足分を補償するという商品です。
弊社は、東京海上日動火災の代理店をしておりますが、持家の方には、必ず提案するのがこの「類焼損害補償特約」です。
個人賠償責任補償特約は、自動車保険やクレジットカードに付帯されている場合がありますが、類焼損害補償特約は前述しました通り、個人賠償責任補償特約では担保されませんのでご注意下さい。
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