住宅購入前に確認しておくべき夫婦のお金問題

老夫婦とお金

江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。

本日のテーマは「住宅購入前に確認しておくべき夫婦のお金問題」についてです。
参考にして下さい。

住宅購入前に確認しておくべき夫婦のお金問題とは?

不動産・住宅の購入時には、お金についてご夫婦間で話し合いが必要です。

ときには、お金の事が元で夫婦喧嘩になったり、離婚という最悪なシナリオとなってしまうことも…。

そこで、本日は、不動産・住宅の購入前に知っておきたい、夫婦のお金問題について、解説していきましょう。

名義と言う視点でお金の管理について考える

名義という視点でお金の管理について考えてみましょう。

名義とは、所有者として記される名前のことです。

その所有者とは、お金を獲得した人のことです。
基本的には、貯蓄の名義もお金を稼いだ人となります。
とは言うものの、お金自体(お札・硬貨)に所有者の名前を書くことはありませんよね。

そこで出てくるのが「名義を誰にしておいた方が良いのか?」という問題です。

  1. 「生活」
  2. 「離婚」
  3. 「相続」

という三つの視点から考えてみましょう。

生活

民法760条で「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」と定義されています。

「婚姻から生ずる費用」とは、簡単にいうと生活費(衣食住の費用・交際費・医療費・養育費・教育費等)です。

つまり、お金を稼いだのが、夫婦のどちらであっても、生活費として使用されたお金については、名義にこだわる必要はないという事ですね。

妻名義の貯蓄の注意点

妻名義での貯蓄には、「贈与」「管理委任契約」という2つの種類があります。
夫の収入で生活費を除いて余ったお金を貯蓄する場合について考えてみましょう。


贈与

まずは「夫が妻に贈与する」という贈与契約を結ぶ方法です。
贈与の場合、貯蓄のお金は夫の名義ではなくなり「妻の財産」となります。


管理委任

もう一つは、妻が夫の代わりにお金を管理するという契約(財産管理委任契約)を結ぶ方法です。
こちらは、便宜上、妻名義の通帳に貯蓄する方法です。
この場合のお金の所有者は妻ではなく夫のままです。


貯蓄の所有者が異なる場合においては、注意をする必要があります。

「贈与」「管理委任」のどちらも書面があることが望ましいのですが、法的には口約束でも成立します。
さらに、夫婦間で改まって契約を結ぶことはあまりないと思われますので、暗黙の了解でという形が多いかと思います。

口約束、暗黙の了解の場合、夫婦仲が良いときや健康状態が良好な時はあまり心配がないのですが、相続・離婚が発生したとき、このようなあいまいな状態だと、口座の名義人と実際のお金の所有者が違う事で揉めることも多いようです。

裁判沙汰となる場合もあるようです。

残念ながら、夫よりも収入が少ないパートや専業主婦の方が「管理委任」という状態で、「自分名義で管理していた貯蓄」という場合、口座のお金を「自分の財産」と主張したとしても、認められる可能性は低いです。

へそくりについても、奥様が稼いだという根拠がない場合、せっかく工夫して貯めたとしても「夫の財産」となってしまうそうです。

離婚

結婚生活を送る中で出来た財産は、離婚時には財産分与という形で2人で分けるというルールになっています。

例えば、結婚後に購入した不動産や車、夫婦のそれぞれの名義の預貯金や保険の解約返戻金等も、全て2人の財産として計算して折半しなければなりません。

この場合、離婚時に専業主婦が夫名義の財産を半分受け取っても、婚姻期間中に2人で形成した財産である為、贈与税はかかりません。

独身時代の貯蓄は対象外

ご夫婦の各自が、独身時代に貯めていた貯蓄や親御さんからの相続財産等、財産分与の対象には含まれません。

相続

最後はいずれくる相続問題です。

夫婦のいずれかが亡くなった場合には、相続が発生します。

例えば、ご主人が亡くなった場合、収入を得ていたのがご主人だけだった場合には、注意が必要です。

「管理委任」で妻名義に移していた財産について相続の申告漏れとなる事が多いようです。

前述しましたが、預貯金の口座名義が重要ではなく、誰が稼いできたかが重要だからです。

2015年に相続税の基礎控除が引き下げられた事により、相続税を納める人は約4%から約8%に増えました。

税務調査でも口座の名義問題は、確認事項となっているようですので注意しましょう。

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