所有者不明土地問題にポケットパークを活用

所有者不明の土地

江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。

本日のテーマは「所有者不明土地問題にポケットパークを活用」です。
参考にして下さい。

社会問題である所有者不明土地問題

空地・空き家問題は大きな社会問題です。

この問題の要因の一つに、「所有者不明土地問題」があります。

これは不動産登記簿の所有者の名義の書換えがされずに放置されてしまい、現在の土地の所有者が不明となってしまっている問題です。

この問題の解決のため国が実験的に行っている施策として、「所有者不明土地対策の推進に向けた先進事例構築モデル調査」というものがあります。

<モデル調査の概要>
本調査は、所有者不明土地対策に関し、地方公共団体やNPO、民間事業者等が単独もしくは連携して行う地域福利増進事業等の実施に係る先進的な取組に対し、国がその実施に要する費用の一部を国の直轄調査を通じて支援するものです。取組の成果は、個人情報等を除き公表し、全国の自治体等への取組の展開を図ります。

引用元:国土交通省ホームページ
「所有者不明土地対策の先進的取組」を決定(二次採択)~民間団体による取組を支援~

ポケットパークを活用

2020年9月18日、「所有者不明土地対策の推進に向けた先進事例構築モデル調査」に福岡県筑紫野市の団体が提案したポケットパークを活用したモデルケースが採択されました。

【調査概要】
管理不全状態の所有者不明土地について、生活環境の改善及び隣接する空き家の流通促進等を図るため、地域福利増進事業による公園(ポケットパーク)等の整備を検討する。

引用元:国土交通省「報道発表資料(別紙)

ポケットパークで解決なるか?

所有者不明の土地や空家を放置しておくことは、防犯上の理由や街の美観の問題でも良くありません。

また、建物の場合は、老朽化による倒壊や隣地への越境という問題も危惧されます。

ポケットパークとして活用することで、解決出来る面もあるかと思いますが、ゴミの不法投棄や、ホームレスが集まる、犬猫の糞尿問題など、デメリットもいくつか報告されています。

ポケットパークを活用する方法が「所有者不明土地問題」を抜本的に解決する方法となるのかは疑問が残ります。

多くの所有者不明土地は、市街地よりも、山林や原野等の方が大きな割合を占めています。

こちらに関しましては、ポケットパークに活用という方法は選択出来ません。

林業や農業関係事業とリンクした、大きな事業モデルの構築が必要になると思われます。

負動産に注意する

残念ながら現時点では、所有者不明土地問題について、明確な解決方法が提示されていません。

そして、今後、日本は「超高齢化社会」「少子化」「人口減少」「コンパクトシティの形成」等、さらに空地・空き家が増えていく要因が揃っているのです。

住宅購入時は「立地の選定」が重要

不動産の資産価値の決定要因に「リセールバリュー」という言葉があります。

「リセールバリュー」とは、将来に物件を再販売する時の価値の事です。

リセール(再販)+バリュー(価値)=リセールバリュー

消費者の方が、自宅を売却するときの価格は「リセールバリュー」という事になります。

このリセールバリューの実に約90%の要因が「土地の立地」によるものと言われています。

それだけ、立地が大事だという事です。

人口減少・コンパクトシティ社会においても、人口が維持しやすく、多くの方に需要があり、都市インフラがきちんと維持整備されていく街(立地)を選択する必要があるのです。

もしこの選定を誤ると、負ける不動産と書いて「負動産」を掴んでしまうことになりかねません。

全ての人がテレワークにはならない

コロナ禍によって、テレワークの普及が進んでいますが、全ての人がテレワーク勤務が出来る訳ではありません。

テレワークという言葉の他に、リモートワーク・在宅ワークといった言い方もありますね。

また、テレワークが出来る方であっても、その方々全てが郊外を選択するわけではないのです。

不動産事業者は、あらゆる営業トークで消費行動を刺激し、購買意欲を上げようとします。

予算がないからといって、安易に郊外の物件を選択し、将来的に「負動産」となってしまい、身動きがとれなくなっても、不動産事業者は責任を取ってくれないのです。

最近では、再生エネルギーの地産地消というテーマも議論されており、もしかしたら郊外だから単純に都市インフラが消滅するということはないかもしれません。

それでも、人口が減少していき、税収が乏しい街では「地産地消」にも限界があります。

是非、目の前の予算だけにとらわれずに、検討物件の将来的な不動産の資産価値についても、検討材料にして頂ければと思います。

ライフプランニングで「見える化」しよう

しかしながら、勿論、予算は大事な検討要素です。

せっかくマイホームを手に入れても、住宅購入ローンの毎月の返済額が厳しくて、日々の生活がギリギリでは、本末転倒です。

そこでお勧めなのが、ライフプランニングです。

ライフプランニングでわかること

  • 住宅購入後にかかるランニングコスト
  • 住宅ローンの返済プラン
  • 住宅ローンの返済推移(グラフで見える化)
  • 将来の家計収支・貯蓄額を予測して老後の家計を把握
    (三大支出である「住宅支出」「教育支出」「老後支出」を見える化)

「ライフプランニング」を行う事は、不動産購入後の生活を豊かにすることへの第一歩です。

ライフプランニングで、三大支出である「住宅支出」「教育支出」「老後支出」を見える化し、その結果を踏まえた上で「予算」を検討しましょう。

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この記事を書いた不動産エージェント

金野秀樹

【氏名】金野 秀樹(こんの ひでき)

業界歴15年を超えるベテランエージェント!

歯に衣着せぬ提案で、お客様の悩みを解決するのが生きがい。
将来は、不動産業界の毒蝮三太夫?を目指しているというウルトラマン好き(毒蝮三太夫さんは、ウルトラマンシリーズでアラシ隊員・フルハシ隊員を演じました)の特撮育ちでありながら、意外とロマンチストな一面もあり。

「お客様に心強い」と言われることに喜びを感じつつ、常に緊張感を忘れないように心掛けている。

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