住宅購入と越境問題について
江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。
本日のテーマは「越境」についてです。
参考にして下さい。
目次
住宅購入と越境問題
住宅購入時には、様々な問題があります。
本日は、その中から「越境問題」について解説していきましょう。
越境とは
越境とは、塀・庇・雨樋等が、自分の所有する敷地を超えて、隣地の敷地にはみ出してしまっている状態のことです。
越境していたらどうなる?
原則では、越境が発生してしまっている場合、越境されている側の敷地の所有者は、越境している側の所有者に、越境状態を解消するよう求めることが出来ます。
越境物である庇を引っ込めてもらったり、雨樋の位置を変えてもらったり等の請求をすることが出来るのです。
隣地の所有者と協定書・合意書・覚書等を結んで、将来、改修工事をする際に、越境状態を解消するという場合もあります。
ちなみに、弊社の管理物件でも、隣地でマンションが建築された際に、弊社側の建物が越境している事が判明したことがありました。
その時は、将来的に改修工事を行う際には是正するという合意書を締結しました。
塀の場合の注意点
塀の場合、まずは「その塀自体」が、誰の所有物であるかを確認することが必要となります。
なかには、境界の真ん中に、隣地の方との共有で塀を建築している場合もあります。
こうした場合には、協定書・合意書・覚書といった名称の書類で取り決めをしていて、所有者とその取扱いに関しての確認書類が残っているかが重要となります。
塀問題は、結構揉めることが多いです。
その為、最近の新築物件は、境界の真ん中ではなく、境界線の内側に塀や柵を設置することが多いです。
妨害排除請求と時効取得
所有権に基づく妨害排除請求権
越境物について、解消するよう求めることが出来るとご説明しましたが、これを「所有権に基づく妨害排除請求権」と呼びます。
民法で認められた所有権に基づく権利です。
しかしながら、単純にこの請求だけが認められるという訳ではないのです。
時効取得
時効取得という言葉をご存知でしょうか?
時効とは、ある事実状態が一定期間継続することで、その事実状態に合わせて権利や法律関係が得られたり失われたりすることです。
塀の場合で照らし合わせてみますと、越境状態であっても、善意で平穏かつ公然に塀を10年間所有し続けていた場合には、塀の建っている土地自体を取得できてしまう、ということになります。
しかしながら、現実的には、強硬に時効取得を盾に主張しても、トラブルはすんなりとは解決せず、弁護士費用等を考えると中々難しいこともあるようです。
住宅購入時に注意すること
住宅購入時には、境界の確認と越境状態の有無について確認しておく必要があります。
境界についての確認ポイントは下記の通りです。
- 境界の杭やポイントがしっかり確認できるのか
- 境界上に越境物はないのか
- 土地面積(地積)は正確なのか
- 公募売買※1なのか? 実測売買※2なのか?
※1 登記簿上の面積で取引
※2 実測後の面積で取引
測量図などの書類と現地の状況を照らし合わせると良いと思います。
測量士・土地家屋調査士等の専門家に相談することが近道ですので、不動産事業者の担当者に、相談先を紹介してもらえないか確認してみることをお勧め致します。
決済より前にトラブル要素の芽を摘もう
トラブルの要素は、後回しにせず、事前に確認するのが望ましいのです。
一般的な売買契約書には、売主には境界を明示する責任があると「境界の明示」について取り決めが書いてあります。
しかしながら、残念ながら、担当者によっては、その辺の重要性をしっかりと認識していない場合もあります。
越境状態についても、特約や特記事項にて説明がされるのが一般的ですが、これも100%説明があるとは限りません。
隣地所有者との合意があるかどうか、あるいは、決済日迄に合意書を締結予定なのか等々、重要なポイントですので、必ず担当者に確認しましょう。
私自身、過去に何件も、越境問題の合意書締結の為に奔走した経験があります。
これが結構、隣地の方に署名押印してもらうのは、大変なんです^^;
その為、なかには避けたがる不動産事業者がいるのも事実です…
後でトラブルになる可能性があるのに…
住宅購入時には、建物ばかりに目が行きがちですが、土地に関するこうした状況もしっかり確認するようにしましょう。
境界の確認、越境の有無については、受け身ではなく、自分から積極的に担当者に確認するようにしましょう。
江戸川不動産情報館は、買主様の為の不動産エージェント「バイヤーズエージェント」として、今後も不動産関連の情報を発信していきます。
この記事を書いた不動産エージェント
【氏名】金野 秀樹(こんの ひでき)
業界歴15年を超えるベテランエージェント!
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将来は、不動産業界の毒蝮三太夫?を目指しているというウルトラマン好き(毒蝮三太夫さんは、ウルトラマンシリーズでアラシ隊員・フルハシ隊員を演じました)の特撮育ちでありながら、意外とロマンチストな一面もあり。
「お客様に心強い」と言われることに喜びを感じつつ、常に緊張感を忘れないように心掛けている。
日々、新しい知識を求めており、様々な記事・書籍・セミナー等で法改正情報や知識を収集するのが「ライフワーク」である。
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