マンションリノベを検討する際の注意点とは!?
江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。
本日のテーマは「マンションリノベを検討する際の注意点」についてです。
参考にして下さい。
目次
マンションリノベを検討する際に知っておきたいこと
新型コロナウイルスの影響によるテレワークの普及等により、住まいへの満足度をより求める方が増えて、賃貸住まいから不動産購入を検討される方が増えています。
そんな中、マンションを検討する方は、新築マンションが高騰している事もあり、予算的に中古マンションを検討する方が多いです。
予算だけではなく、建築費やマンション用地の高騰により、価格が高くて狭い、さらに品質が10数年前に比べると良くないといわれているのが、現在の新築マンションの実情です。
事実、首都圏では2016年以降、中古マンションの取引件数が新築マンションを上回りました。
中古マンションを購入する上で、室内の状況によっては、そのまま居住するのではなく、リフォームやリノベーションを行う必要があります。
リフォームとリノベーションの違い
ちなみに、リフォームとリノベーションの違いをご存知でしょうか?
一般的には、「リフォーム」とは古くなった設備を新しく交換したり、修繕したりすることです。
一方、「リノベーション」とは、ただ交換や修繕するだけではなく新たな価値や機能を付け加えることを指します。
分かりやすく例えますと、ただ壁紙・床の貼替、キッチン・バスの交換だけ行う場合は「リフォーム」となり、既存の間取りを変えるような工事を含めると「リノベーション」といったイメージです。
マンションリノベ検討時の注意点
マンションをリノベーションする際に知っておきたい注意点は下記の通りです。
- 住宅ローン控除の適用要件
- 壊せない壁があること
- 水廻り設備は排水出来るかが重要
- 管理状況の把握
- 住替えリスク
各項目を解説していきましょう。
住宅ローン控除の適用要件
マンションの場合の住宅ローン控除の築後年数要件は「25年」です。
その為、築25年を超えているマンションを購入して「住宅ローン控除」を利用する場合には、築後年数要件の緩和措置が適用出来るかどうかを確認する必要があります。
築後年数要件の緩和措置とは
下記要件のいずれかを満たせば、築後年数要件を緩和する事が出来ます。
- 耐震基準適合証明書
- 既存住宅売買瑕疵保険の付保
- 住宅の引渡し後、自ら耐震改修を実施
耐震基準適合証明書は、申請すれば必ず発行してもらえる証明書ではありません。
耐震基準適合証明書の発行基準は、現在の耐震性確保が必須となります。
共同住宅であるマンションの場合は、多くの住人の方の同意が必要となる為、簡単ではありません。
瑕疵保険も申請すれば必ず付保してもらえるものでありませんので、必ず事前に調べて置く必要があります。
検討段階で、マンションの管理組合に耐震基準適合証明書の発行履歴や既存住宅売買瑕疵保険の加入履歴がないかを確認しましょう。
3.の「住宅の引渡し後、自ら耐震改修を実施」は、マンションの場合、個人ではマンション全体の改修工事は出来ませんので現実的に不可能だと言えるでしょう。
壊せない壁があること
マンションの壁には、撤去が出来る壁と出来ない壁というものがあります。
中古マンション購入後に、この壁の撤去を前提に購入を決めた場合で後から実は撤去出来ないとなってしまった場合は最悪です。
一般的にコンクリートの壁は構造耐力壁といわれる壁がほとんどです。
その為、解体したり穴をあけたりすることは簡単には出来ないのです。
もし建物の構造を支える壁や梁(はり)を撤去してしまえば、耐力上や耐震上も問題になります。
また、コンクリート壁にエアコンの室内機と室外機をつなぐパイプを通す為の穴を勝手にあけるのも問題です。
実はこの耐力壁は共用部分に含まれる事が多いため、区分所有者は勝手にいじる事が出来ないのです。
勝手に穴をあけてしまうと、鉄筋を切除してしまうということもありえますので、絶対に事前に管理組合に確認を取りましょう。
後から問題になってしまっては、元も子もありません。
水廻り設備は排水出来るかが重要
築年数の古い中古マンションの場合、キッチンが壁側に設置されていることが多いです。
そのキッチンの位置を壁側から対面型のキッチンに変更する際には注意しましょう。
人気のアイランドキッチン等、ダイニング側にキッチンを移動させたいというご要望をよく聞きます。
水廻りをまったく別の場所に移動したい場合、新たに設置する排水管の経路が問題になります。
排水は勾配が取れるかが重要で、要するに高いところから低いところへ流す必要があるという事です。
パイプスペースからの距離
マンションの場合、流す場所は共用している縦管に接続して排水します。
縦管はマンション図面ではパイプスペース(PS)と書かれている部分に設置されています。
キッチン等の水廻りが「PS」から遠くなってしまうと排水に必要な勾配をとるために一定の高さが必要となります。
結果、床を上げなければならなくなり、天井高(天井と床の間隔)が少なくなって圧迫感のある空間となってしまうことがあります。
スラブについて
パイプスペースだけではなく、部屋の間取りやレイアウトの自由度を決める重要な要素の一つとして「スラブ」という言葉も出てきます。
この「スラブ」というものはフローリングの下にあるコンクリート床面の事であり、上階のスラブ面までの高さを指す階高(かいだか)というものと併せて、室内の住空間が決まっていきます。
その空間の調整を行いながらリノベーションを実施する必要があるのです。
階高が高ければ、二重天井、二重床とスラブとの間の幅を取りやすくなり、二重天井ならば照明の配線が可能ですし、二重床であれば水廻り(キッチン等)の配置の自由度が高まります。
必ず事前に専門家に相談しましょう
間取り変更や水廻りの場所の変更といった大規模なリノベーションを行う予定の場合は、売買契約前の段階で、事前にリフォーム業者等の建築の専門家に立ち会ってもらい、そもそも自分の要望が現実的に可能なのかどうかと予算の範囲におさまるかどうかを確認した方が良いでしょう。
管理状況の把握
「マンションを買うことは、管理を買うこと」という格言があるくらい、マンションの管理状況は重要です。
普段のマンションの清掃や点検が適切に行われているか、将来の大規模修繕に向けて修繕積立金が計画的に積み立てられているか、といったことを売買契約当日に説明されるのではなく、申込の段階で把握する必要があります。
一般的には、契約当日、売買契約締結の前に重要事項説明書の項目の一つとしてマンションの管理状況の要旨が説明されます。
しかしながら、実情としてはしっかりと不動産仲介事業者の担当者が、管理状況の数字等を分析していることは少ないです。
管理会社から発行してもらった「重要事項調査報告書」の数字を転記して、それを読んでいるだけの場合が多いのです。
管理費・修繕積立金の滞納や値上げがあるとかないとか、そんな説明だけに終始してしまっている場合はとても危険です。
重要な事は、将来にわたっての長期修繕計画についての分析です。
勿論、滞納の問題をおざなりにして良いということではありませんのあしからず。
住替えリスク
実はこの「住替えリスク」については、結構意識していない方が多いです。
何故なら、これから家を買うのに、もう売る話の説明となると、あまり現実的に聞こえないからです。
しかしながら、この住替えリスクは必ず把握しておきたい項目です。
ポイントは、将来の「売却価格」と「売却時の住宅ローン残高」です。
売却価格が住宅ローン残高より低いと…
将来の売却価格が住宅ローン残高より低い場合には、持ち出しの資金が必要になります。
逆に売却価格が住宅ローン残高を上回って、売却時の諸費用を支払っても手元に現金が残れば、貯蓄が出来た家となり、住宅ローンで支払ってきた元本が戻ってきます。
独りよがりのリノベーションにご用心
勿論、将来の売却価格は、誰にもわかりません。
しかしながら、はっきりしていることは、いくら高額なリノベーションを行っても、5年10年経過すれば価値はなくなります。
そしてもっとも注意したいのは、自分にとって100点満点のリノベーションが第三者にとっては何点なのかという視点です。
例えば、一人暮らしで1LDK・50㎡のマンションを自分好みに壁をなくして1R・50㎡にリノベーションした場合、他の人にも需要があるのかどうかです。
そういった視点をもっておかないと、独りよがりのリノベーションとなってしまい、第三者に需要がない場合は、買い手がスムーズに見つからない可能性が高まります。
そうなってきますと、売却する為には相場よりも値下げをしなければならないのです。
築古の旧耐震マンションにご用心
築年が古い旧耐震基準※のマンションの場合、マンション本体の予算が抑えられる為、リノベーション費用を多くとる事が出来ます。
※旧耐震基準とは、1981年5月末までの建築基準のこと
例えば、2,000万円の旧耐震マンションに1,000万円のリノベーションで合計3,000万円といった資金計画です。
勿論、その他に諸費用もかかります。
まず、旧耐震マンションは耐震性に不安があるため、生命に危険があるわけです。
いくら、リノベーションで部屋の中は綺麗になっても、マンションの躯体は耐震性が担保されているわけではないのです。
リノベ事業者にはリノベしたい事情がある
リノベ事業者には、リノベしたい事情があります。
理由は簡単です。
リノベーションは、不動産を仲介するよりも利益率が高いのです。
同じ予算でも、リノベーションをした方が儲かる仕組みなのです。
例えば、3000万円の予算だとします。
不動産に軸足を置いた場合
リノベに軸足
上記のように、リノベに軸足を置いた方が、利益率が高いのです。
郊外の不動産事業者からすれば、不動産価格が低い地方都市では仲介手数料だけではビジネスモデルが成り立ちません。
リノベが受注出来れば、リノベ予算分の利益率は10倍にもなりますので、結果的に売上は倍以上になります。
私が市場調査の為に参加したリノベのフランチャイズチェーンのセミナーでは、地方都市では仲介だけでは、売上が中々上がらないが、リノベを受注出来れば、事業が成り立つと説明されていました。
損得勘定だけではない
勿論、こればっかりは、人それぞれの価値観となりますので、将来の売却時の住替えリスクよりも、自分が住んでいるときの満足度を優先すること自体が悪い訳ではありません。
損得勘定だけでは、不動産は語れないのです。
「お勘定」だけではなく、「感情」も大事な要素です。
しかしながら、知らないで決断するのではなく、知った上で決断する。
そうでないと、将来のリスク管理は出来ないのです。
江戸川不動産情報館は、買主様の為の不動産エージェント「バイヤーズエージェント」として、今後も不動産関連の情報を発信していきます。
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この記事を書いた不動産エージェント
【氏名】金野 秀樹(こんの ひでき)
業界歴15年を超えるベテランエージェント!
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