不動産の公示価格とは!?

公示価格とは

江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。

本日のテーマは「公示価格」についてです。

参考にして下さい。

公示価格とは!?

取引を行う際に、その不動産価格は妥当なのか、何か基準となるものがなければ不安になりますよね。

まずは、地域的な相場感を把握するためにも、毎年発表される「公示価格」を参考にしてみるといいと思います。

ということで、今回は「公示価格」についてお伝えします。

土地の評価方法は一物五価

モノの「価値」と聞いて、最初にイメージするのは、お金を支払って購入する商品の値段ではないでしょうか。

土地・建物といった不動産も売買されますので、売主と買主が契約する時に価格が設定されます。

不動産の場合の価格の基準は、目的に応じて5つの「価格」があることを覚えておくとよいと思います。

  1. 公示価格(公示地価)
  2. 基準地価
  3. 路線価(路線価格)
  4. 固定資産税評価額
  5. 実勢価格

例えば、5,000万円程度と判断される住宅を、売主が強気で7,000万円で売りに出しても、高すぎて買手はつかず取引が成立しません。

このような場合、売主の希望する値段は「適正価格」とは評価されていないわけです。

売り急いでいる場合は、過小評価で売却されることもありますが、土地・建物の価格もスーパーやコンビニで売られている商品と同様に競合との兼ね合い・需要と供給のマーケットメカニズムなどによって価格が決まります。

不動産は同じものが二つとない

不動産が他の一般商品と異なるのは、同じ物件が二つとないという独自性です。

同じ商品がたくさんあれば同じ値段を付けられますが、まったく同じ条件の不動産(特に土地の場合)はないので、適正な値段が一般の商品より難しいのです。

そのために国土交通省が発表する取引の基準となる「公示価格」や国税庁が発表する税金算定のため「路線価格」などの基準価格があります。

公示価格は土地取引の指標

不動産の価格が適正かどうかを判断する上で、必ず理解しておきたいのが「地価公示法」による「公示価格」です。

公示価格は、国土交通省が毎年1月1日時点の土地の評価として3月中旬頃に発表します。

不動産取引の場合、売主の希望価格が相場と比較して高額であっても、購入したい人が1人でもいれば取引が成立します。

逆に安く買いたい人がいて、売主が安い価格でも売ってくれたら取引は成立します。

不動産の場合、いくらで取引するかは当事者が自由に決めることができ、これを「契約自由の原則」といいます。

しかし、当事者が適正価格を知らずに取引してしまった場合、どちらかが大きな損害を受けたり、後々トラブルに発展することもあります。

また、地価の高騰や下落を招き、実際に自ら使用することを目的とした実需でなく、転売目的の取引も増加するでしょう。

公示価格は、安くても売りたい、高くても買いたいなどの特殊な状況がない場合の基準となる土地の基準価格の目安なのです。

公示価格=実勢価格とはならない

しかしながら、注意して頂きたいのは実際の取引では「公示価格=実勢価格※」とはならない場合が多いということです。

※実勢価格とは、実際に売買取引が成立する価格のこと。

公示価格は、一定の指標にはなりますが、公示価格の単価そのままで取引されることは稀です。

後述しております公共用地の算定基準の目安と考えておけば良いと思います。

ケースバイケースではありますが、不動産業界の慣習としては「実勢価格」の70~80%くらいが「公示価格」という考え方をすることが多いです。

さらにいいますと、「公示価格」の80%くらいが「路線価格」という感じで考えています。

このような計算式から、「公示価格」の指標がない土地については、「路線価格」から逆算して「実勢価格」を算定することもあります。

勿論、これはあくまでも一定の目安であり、詳細な査定をする際には、それぞれの物件の個別性も考慮して査定を行います。

公示価格は公共用地の算定基準

公示価格は、公共用地のための算定基準にもなります。

公示価格は、国や地方公共団体が公共事業(道路、上下水道整備)で土地を所有者から買い取るとき、土地収用で補償するときの算定基準にもなります。

地価公示は、国が一般の土地取引の「指標」(目安)となる価格を公示することによって、適正な地価を形成することを目的とした法律です。

この指標となる土地の価格を公表することによって適正な地価を形成することを目的とした法律なのです。

この価格となる土地の価格を「公示価格」といい、土地取引を行う者は、公示価格を指標とするよう努めなければならないとされています。

公示価格が公示されるまでの流れ

公示価格が決定され公示されるまでの流れは下記の通りです。

  1. 土地鑑定委員会による「標準地」の算定
  2. 標準地の鑑定評価・審査
  3. 正常価格の判定・公示

それぞれについて解説していきましょう。

1.土地鑑定委員会による「標準地」の算定

地価公示法に基づいて3万数千地点の標準地を選定する土地鑑定委員会は、鑑定評価や審査を行う国土交通省の機関です。

標準地は、近隣の土地を評価するための指標となる土地です。

近隣の土地の価格を決めるための代表的な土地であり、標準地の設定区域で県境や利用状況などが同じ土地でなければなりません。

したがって不整形地などは対象外となります。

2.標準地の鑑定評価・審査

土地鑑定委員会より選ばれた不動産鑑定士などの鑑定評価員(1地点で2名以上)が標準地の鑑定を行い、鑑定結果を土地鑑定委員会が審査します。

3.正常価格の判定・公示

土地鑑定委員会による審査結果、毎年1月1日時点での1㎡あたりの正常価格として「公示価格」が判定され官報に公示されます。

正常価格とは、債務整理や相続による売り急ぎなどの特別な事情がなく、通常に成立すると考えられる適正な価格です。

まとめ

公示価格のポイント

  • 一般の土地取引における売買価格の指標とする
  • 土地取引に対する補償金、公共用地の取得価格の算定基準とする
  • 地域的な相場観を把握するのに適している
  • 建物の存在や利用状況、売却理由など特別な事情は反映されていない

公示価格は、国土交通省の「標準地・基準地検システム」で閲覧することができます。


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