中古戸建てのリフォーム範囲の検討方法
江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館コンノヒデキです。
本日のテーマは「中古戸建てのリフォーム範囲の検討方法」です。
参考にして下さい。
目次
中古戸建て リフォームの優先順位
中古戸建てを購入される方の多くがリフォームを検討されています。
壁紙(クロス)の貼替程度の軽微なものだけでなく、キッチンやユニットバスの交換などまとまったリフォームを検討されるお客様も多いです。
最近では間取り変更も含めた大規模なリフォーム(リノベーション)を実施される方も増えているようです。
中古戸建ての購入は、思い通りのリフォームが実現できる夢のある住宅購入方法と言えます。
戸建ては躯体部分も検討が必要
戸建ては、マンションと違い、躯体部分の改修で住宅性能についても気にしなければなりません。
自分の理想や快適さ重視で、雨漏れなどの劣化対策が疎かになってしまっては本末転倒です。
今回は中古戸建てを購入する際のリフォーム範囲の検討方法について解説していきましょう。
建築確認申請の年月で目安
戸建て住宅の性能は、建築確認申請の建築年月で大まかに分類することができます。
- 1981年5月以前(旧耐震基準)
- 1981年6月以降2000年5月以前(新耐震基準だが耐震改修が必要)
- 2000年6月以降(現行の耐震基準)
リフォーム費用は、家の広さと築年数に比例して高額になる傾向があります。
そのため、住宅取得のための予算を考慮して、購入する物件の建築年月を絞っておく必要があります。
例えば、旧耐震基準の木造戸建て住宅は、物件価格自体は安めに購入できますが、必要なリフォーム費用が高額となるため、とにかく予算を抑えたい方向きの物件とは言えません。
旧耐震基準の戸建は予算に余裕がある人向け
正直、旧耐震基準の物件は、素人が手を出すべき物件とは言えません。
家屋のほとんどを解体してリフォームする「フルスケルトン」レベルのリフォームをお考えの方なら良いのですが、リフォームにかかる費用を考えると、建て替えた方が合理的と判断される場合が多いからです。
旧耐震物件に向いているのは、新築注文住宅ほどは予算がかけられないものの、建売住宅以上のクオリティを求めたい、住宅購入予算に余裕のある人だと言えます。
築10年までの考え方
10年保証と言って、新築から10年間は建てた建築会社が責任を負わなければならない法律となっています。
10年保証については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」等に規定されています。
つまり築10年以内の物件は「何もする必要がないはず」の物件と言えます。
しかしながら、過信して何もチェックせずに購入するのは危険です。
築10年未満の物件を購入する場合も、しっかりと建築士によるインスペクション(建物状況調査)を必ず実施して、万が一不具合のある箇所が発見されたら、新築時の建築会社の責任の範囲なのかどうかを確認することが必要です。
ちなみに、新築時からリフォームで手を加えてしまうと、新築時の保証が切れてしまう場合もありますので、間取り変更など構造に影響のあるリフォームをお考えの方は注意して下さい。
所有者が変わる場合に、保証を引き継げるかどうかも確認しましょう。
防水対策は必ず検討する
ここまでは、旧耐震のような古すぎる物件と築10年未満の築浅物件について解説してきました。
ここからは、築10年以上の住宅について考えていきましょう。
まず最も優先順位が高いのは「屋根・外壁の塗装工事」です。
屋根・外壁の耐用年数が10年~15年と言われており、購入時点で耐用年数を超えているケースも多く、放置すると住宅購入から数年程度で雨漏れなどの劣化事象が発生する恐れがあるからです。
雨漏れ被害はいきなり室内に影響するというものではなく、長い期間かけてじわじわと浸透し、室内に影響が出る頃には思った以上に被害が拡大していることが多いです。
屋根・外壁の塗膜がどれくらい維持できるかはケースバイケースですが、予防も含めて住宅購入時に屋根・外壁の塗装を行うことを強くお勧め致します。
特に天窓(トップライト)のある住宅は、雨漏れ事故の確率が高いので、購入時の防水対策は必須と言えます。
もし防水対策の予算が確保できない場合は、その物件の購入を見合わせた方が良いと言えるくらい重要なリフォームとなります。
2000年5月以前の建築確認申請の建物
2000年5月以前の建築確認申請の建物は、耐震性が現行基準を満たさないと判定される可能性があります。
ですから、耐震診断を実施して、必要であれば耐震改修工事を行います。
耐震改修工事は「100万円~200万円」くらいかかると言われていますが、これは旧耐震も含めた平均値です。
耐震改修工事費用は、耐震診断を実施しないと算出できません。
広さと築年数に比例して高額になる傾向があるので、それほど古くない平成になってからの建物であれば、意外と安く済んだ、という結果も多いです。
地震で家屋が倒壊とまでは行かなくても、損傷が出た時点でかなりの補修費用が必要となってしまうため、2000年5月以前の建物を購入する際は、最低限の耐震工事を行うことが必要です。
フローリング交換は意外と高額
壁紙(クロス)の貼替と床の張替え工事は「お色直しリフォーム」と言って、リフォームの定番と言えます。
壁紙の貼替はそんなに高額ではありませんが、床の張替え工事は思ったよりも費用がかかります。
どちらも入居後、家具が入ってしまうと実施しにくい工事となりますので、前入居者がペットを飼っていたり、あるいは著しい破損などが見られる場合は優先順位が高くなります。
キッチン・バスは後からでも出来る
キッチン・ユニットバス・トイレの交換も定番リフォームと言えますが、こちらは住みながらでも実施しやすいリフォームです。
ですから、それほど入居前で優先順位が高い工事とは言えません。
そのまま利用できないくらい汚れていたり・破損している場合は別ですが…
給湯器について
中古住宅でよくある失敗事例が給湯器です。
給湯器は、耐用年数が7年程度と短めで「入居後すぐに使えなくなった」という事例が多いです。
給湯機も安い商品ではないので、住宅購入後に将来の修繕費を見越して積み立てができる計画なら大丈夫ですが、余裕のない家計の場合は、住宅ローンに組み込んで交換してしまった方が安心と言えるでしょう。
リフォームはまとめて行う方がお得!?
一般的には、個別に依頼するよりも、まとめて一気に依頼した方が安上りです。
住宅取得後、まとまった現金が用意できない場合は、金利が高めなリフォームローンを使わなければいけなくなり、5年~10年を見越して、近い将来必要になりそうな工事は、住宅取得時に住宅ローンに組み込んで実施する方がリフォーム資金を確保しやすい場合もあります。
住んでみないとわからないことも多いと思いますが、そこはプロであるリフォーム会社や工務店に相談して、プロの立場からその家を買うとするなら、どこをリフォームすれば良いのかを聞いてみるのが良いと思います。
まとめ
いかがだったしょうか。
中古住宅購入時のリフォームは、どうしても内装部分である壁紙・床・住宅設備の交換に目が行きがちですが、優先順位として重要なのは防水と耐震です。
将来を見据えて、優先順位の高いリフォームを実施して頂きたいものです。
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