2020年の不動産市場を振り返る!2021年はどうなるのか?
江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。
本日のテーマは「2020年の不動産市場を振り返る・2021年はどうなるのか?」です。
参考にして下さい。
目次
2020年の不動産市場を振り返る
2020年を振り返るにあたって、外せない話題は何と言っても「新型コロナウイルス感染症」でしょう。
東京都の状況を振り返ってみますと、
- 3月上旬、小中学校の臨時休校
- 3月27日、東京都知事による「不要不急」の外出を控える呼びかけ
- 4月7日、政府より緊急事態宣言の発出
- 5月25日、緊急事態宣言解除
- 6月19日、休業要請終了
この記事を書いております「2020.12/22時点」では、東京都は飲食店等に対して「営業時間の短縮(午後10時まで)」を2021.1/11まで要請しています。
第3波真っ只中ですが、なんとか冬期休暇明けには第3波が落ち着いて、2021.1/11には時短営業がおわるように、それぞれ気を付けていくしかありません。
オンラインサービスの拡充
コロナ禍で大きく拡充されたのは、オンラインサービスでしょう。
感染リスクをなくす為には、対面で会わない事が一番の対策です。
不動産事業者各社、様々なオンラインサービスを提供しています。
VRやARによるオンライン内見、IT重説、電子契約等、非接触によるサービスは多様なものが出ています。
弊社も、4月にオンラインサービス「zoom」を導入し、定期開催していた消費者セミナーはオンラインセミナー、個別相談はオンライン相談に切り替えました。
最初は、正直戸惑いましたが、最近は対面とほぼ変わらない内容で出来ています。
テレワークによる行動様式の変化
もう一つ、大きな変化はテレワークです。
テレワークの拡充によって、働き方が大きく変わり、住宅購入検討時の希望条件にも変化が起きています。
交通利便性よりもテレワークスペースの確保・在宅時の充実を求める声が増えてきています。
2020年コロナ禍の中古マンション市場の動向
数値を抜粋していきましょう。
中古マンション市場の成約件数
4月「前年同月比でー52.6%」
5月「同-38.5%」
6月「同-11.0%」
7月「同-2.4%」
8月「同+18.2%」
9月「同-7.3%」
10月「同+31.2%」
11月「同+14.0%」
緊急事態宣言下の4月~5月は、大幅な下落となりましたが、その後、じわじわと成約件数は回復していき、8月には東日本不動産流通機構が発足以来、過去最高の数値をたたき出しました。
その後、10月・11月も機構発足以降、過去最高の数値となり、不動産市場が活発に動いている事がわかります。
中古マンション市場の相場
続いて、相場についても確認してみましょう。
㎡単価の推移は下記の通りです。
4月「前年同月比でー4.5%」
5月「同+0.4%」
6月「同+1.4%」
7月「同+4.7%」
8月「同+1.8%」
9月「同+4.1%」
10月「同+4.8%」
11月「同+3.4%」
ご覧の通り、㎡単価は、7ヶ月連続で上昇が続いています。
コロナ禍で、相場が上昇傾向なのは、新規登録件数・在庫件数は減少傾向である為、売り手市場であることが原因と見られています。
コロナ禍で、テレワークスペースの確保や在宅時を充実させたいという需要が増えていることが、不動産市場を活況させているようです。
結果、住宅購入の検討者は増えているのですが、物件の在庫が少ない為、需要と供給のバランスにより、㎡単価が上昇しているという状況なわけです。
2020年コロナ禍の中古戸建市場の動向
こちらも数値を抜粋していきます。
中古戸建市場の成約件数
4月「前年同月比でー41.5%」
5月「同-20.5%」
6月「同-4.9%」
7月「同+2.4%」
8月「同+21.8%」
9月「同+3.9%」
10月「同+41.8%」
11月「同+23.6%」
中古マンション市場と同様に、緊急事態宣言下では、大幅な下落となりましたが、7月からは持ち直し、8月には機構発足以降、過去最高の数値をたたき出し、10月と11月も過去最高の数値でした。
中古戸建市場の相場
成約価格の推移は下記の通りです。
4月「前年同月比でー12.5%」
5月「同-16.2%」
6月「同-4.4%」
7月「同-2.1%」
8月「同+6.1%」
9月「同+2.5%」
10月「同-1.2%」
11月「同+4.9%」
8月以降は、上昇傾向が続いています。
中古戸建も中古マンションと同様に在庫不足な状況の為、売り手市場となっていることが原因だと思われます。
2020年のまとめ
中古マンションと中古戸建の市場は、4月~5月の緊急事態宣言下では、成約件数・相場共に下落しましたが、7月以降は回復したと言って良いでしょう。
特徴としましては、テレワークの拡充により、戸建物件の成約件数が多くなったことが挙げられます。
また、マンションの場合でも、テレワークスペースの確保の為に「一部屋多くしたい」「なるべく広い部屋にしたい」といった要望が増えています。
リフォームに関しましても、テレワークの為の要望が多くなっています。
エリアについては、都心部から郊外へという動きも一部見てとれましたが、限定的な動きなようです。
資産価値の観点から考えますと、安易に郊外を選択するのには注意が必要です。
依然、利便性と利用価値の高い物件が資産価値の落ちにくい物件であることは間違いないでしょう。
2021年の不動産市場はどうなる?
2020年の後半はコロナ禍でありながら、実需用※の不動産市場は回復したとお伝え致しました。
※実需用不動産とは、自分や家族・親族が住む為の不動産のことです。
それでは、2021年の不動産市場はどうなるのでしょうか?
不動産相場の極端な下落は起きない
これは、あくまでも私見ですので、参考程度となってしまいますが、2021年も引き続き、東京23区の実需用不動産の相場は、下落傾向にはならないと思われます。
その要因は下記の4点です。
- 売り手市場が続く
- 実需用不動産は不景気に強い
- 金融機関に影響が少ない
- 新築物件の相場が落ちない
結果、東京23区の不動産相場は下落傾向にはならないと考えます。
売り手市場が続く
東京23区においては、現在の売り手市場はしばらく続くと思われます。
何故なら、現状の在庫不足の状況が、近々で大幅に改善するとは考えにくいからです。
売り手市場の場合、人気エリアの物件は、余程相場より高くなければ、比較的すぐに買い手がつきます。
そうすると、人気エリアの相場の下落は起きません。
仮に地方や郊外の不人気エリアの在庫が増えていっても、人気エリアを買い逃した方の中には、どうしても期日や事情があって、買わなければならないという方がいるので、不人気エリアでも駅から近い等、需要がある物件は売れていきます。
しかしながら、不人気エリアで駅から遠い等、需要がない物件は、売り手が中々つきません。
そして、負ける動産と書いて「負動産」となって無価値化が進んでいくことが予想されます。
日本の人口減少、少子高齢化、空家問題は刻々と進行していっているのです。
東京23区の中の都心部や人気エリアの在庫不足がいっきに解消されるとしたら、例えば、コロナの影響によりロックダウンとなり行動制限が起こり、もっと景気が悪くなる。
あるいは金融機関が貸し渋り貸しはがしを行い、買いたくても買えない、そもそも買っている場合ではないという方が増えていけば、在庫不足は解消されていきますが、近々でそうなりそうな感じはありません。
この場合、売却しようという方も減少すると思われますので一概には言えないのですが…。
といった具合に、一筋縄ではいかないのが市場や相場なのです。
現時点では、実需用の不動産をお持ちの方は、売却のチャンスとも言えるかもしれませんね。
供給が少なければ、価格の下落は起きにくいですから。
実需用不動産は不景気に強い
実需用不動産※は、不景気に強いと言われています。
何故なら、人にとって住まいは、必ず必要なものだからです。
※実需用不動産とは、自分や家族・親族が住み為の不動産のことです。
居住用の賃貸物件は、申込時点では価格交渉の余地は多少ありますが、契約期間中は基本的には交渉が出来ません。
結果、売買物件を買った方が住宅設備のグレードが上がる、住宅ローンの支払が家賃並み、家賃は掛け捨てだから勿体無いという考えで、売買物件が売れていくからです。
さらに、先日、住宅ローン控除が通常より3年延長される特例措置の延長が「令和3年度税制改正大綱」に盛り込まれました通り、不景気になりそうになると、政府が住宅市場に景気刺激策を講じます。
特に住宅や車産業は、景気刺激策を行うと費用対効果が高い為、積極的に国からの支援があるわけです。
住宅や車が売れれば、関連企業も潤うと言えば、わかりやすいですよね。
今回の住宅ローン控除の特例延長は、元々は消費税10%への景気対策でした。
それが、コロナショックへの景気対策として延長されることになったわけですね。
金融機関に影響が少ない
コロナショックによって、金融機関に影響が全くないわけではありません。
しかしながら、その影響は少ないと言えるのではないでしょうか。
米国は、実質ゼロ金利政策で資金を市場に流入していますし、日本も金融緩和を強化しています。
市場にお金が多く流入していれば、金融機関はお金を企業や個人に貸出しやすいです。
結果、住宅ローン金利も比較的安定しています。
新築物件の相場が落ちない
近年、高騰している新築マンションの価格は、すぐには下落しないと言われています。
現在の新築マンションの供給をしているデベロッパーの多くの割合は、メジャーセブン※と呼ばれる大手マンションデベロッパーです。
メジャーセブンは、財務体質がしっかりしてるので、焦って売る必要がなく、値下げして早く売り切るよりも、なるべく値下げをしないでじっくり売るという戦略をとっているからです。
昔は、完成までに完売を目指して、かなり激しい営業が行われていたようですが…
※メジャーセブンとは、住友不動産・大京・東急不動産・東京建物・野村不動産・三井不動産レジデンシャル・三菱地所レジデンスの7社のこと。
首都圏では、ここ10年「約40%台」の割合がメジャーセブンによって供給されています。
全国ですと「約30%」です。
新築戸建ても販売状況は好調です。
結果、新築物件の相場が落ちない為、それに伴い、中古物件の相場も落ちにくいということになります。
買主側はどうすれば良いのか?
売り手市場が続くと思われる中で、買主側はどのような準備をすれば良いのでしょうか?
希望条件に合う物件を買い逃さない為には、事前の準備がとても大切です。
ポイントをあげますと、
- 物件探しの前に住宅ローン事前審査を受けておく
- 検索条件は少し上の価格設定にしておく
- 内見は出来るだけ早く
の3つのポイントが重要です。
詳細は下記リンク先をご参照ください。
さらに補足すると、上記のポイントを実行する前には、下記項目も必ず行っておきましょう。
- 不動産についての基礎知識を身につける
- 信頼出来る不動産エージェントの選別
- ライフプランニング・資金計画
まずは第一ステップとして、不動産についての基礎知識を身につけることから始めてみてはいかがでしょうか?
江戸川不動産情報館は、買主様の為の不動産エージェント「バイヤーズエージェント」として、今後も不動産関連の情報を発信していきます。
この記事を書いた不動産エージェント
【氏名】金野 秀樹(こんの ひでき)
業界歴15年を超えるベテランエージェント!
歯に衣着せぬ提案で、お客様の悩みを解決するのが生きがい。
将来は、不動産業界の毒蝮三太夫?を目指しているというウルトラマン好き(毒蝮三太夫さんは、ウルトラマンシリーズでアラシ隊員・フルハシ隊員を演じました)の特撮育ちでありながら、意外とロマンチストな一面もあり。
「お客様に心強い」と言われることに喜びを感じつつ、常に緊張感を忘れないように心掛けている。
日々、新しい知識を求めており、様々な記事・書籍・セミナー等で法改正情報や知識を収集するのが「ライフワーク」である。
サービス精神旺盛なのか、ネガティブ情報も含め、徹底的に情報開示をする為、提案時間は長め(平均3時間)である。
勿論、お客様のご予定に合わせて時間は調節していますのでご安心下さい。
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