耐震改修物件の注意点 マンション編

耐震改修物件の注意点マンション編

江戸川区の不動産エージェント江戸川不動産情報館・金野秀樹(コンノヒデキ)です。

本日のテーマは「耐震改修物件の注意点・マンション編」です。

参考にして下さい。

耐震改修済みマンションの注意点

中古物件を検討する際には、「耐震性」についても確認が必要です。

築年数が古い物件、特に旧耐震基準(1981年5月以前の建築確認取得)の物件は、耐震改修工事が施されていないと、住宅ローン控除のような各種減税制度が利用出来ません。

そして、なにより日本は地震大国ですので、大規模な地震が起きた場合、自宅が倒壊してしまったら命に危険を及ぼす恐れがあります。

耐震改修済みを売りにしている物件は本当に大丈夫なのか?

耐震改修済みであれば安心な感じがしますが、本当にそうでしょうか?

実は耐震改修済みという「ふれ込み」の物件にはとんでもない罠が潜んでいるかもしれないのです。

もっと言いますと、不動産の物件広告に「耐震改修済み」と記載されてある物件は、安心とは程遠い「要注意物件」だと考えた方がいいです。

ですから、安易に考えずにマンション調査を専門としている一級建築士に確認してもらうことをお勧め致します。

結果、本当に安心な物件であれば、問題ないわけですから。

マンションの耐震改修はほとんど進んでいない

上記の記事によりますと、

マンションストックの総数は660万戸以上あり、そのうちの約106万戸が旧耐震基準で建設されたもので、国土交通省では巨大地震に備えるために旧耐震基準で建設されたマンションの耐震化の促進を進めています。

https://gentosha-go.com/articles/-/36101

管理組合が有るマンションでは耐震診断の実施率が18.0%で、管理組合が無いマンションでは耐震診断の実施率が3.1%であることが報告されています。

https://gentosha-go.com/articles/-/36101

耐震改修を行う際に必要な耐震診断ですら、実施率が20%を切っている、管理組合が無いマンションの場合ですと、約3%という結果だそうです。

耐震診断を行い、その上で耐震性を向上させるために耐震設計、そして耐震改修工事を行うわけです。

つまり、マンションの耐震改修工事はほとんど進んでいないのです。

従って耐震改修済みのマンションは非常に稀な物件と言えます。

耐震改修済みのマンションという「ふれこみ」の物件に遭遇したら、まずは売主や売主側の仲介会社に「耐震基準適合証明書は発行可能か?」と確認した方が良いでしょう。

その確認の際に、「わからない」「耐震診断を行った履歴はある」といったように「発行可能です」という明確な回答がない場合は要注意物件と言えるでしょう。

不動産業者・担当者の思考

不動産会社の担当者は、物件の販売を行う際にキャッチコピー(物件のアピールポイント)を考えます。

出来るだけ高く、そして早く物件を売る為です。

そんな中、具体的にはわからないけど、どうやら耐震改修をしたらしいという情報があった場合には、特に調べもせずに、キャッチコピーとして「耐震改修済み物件」という「ふれこみ」で売り出します。

耐震改修工事をしたという履歴があるということは、築古物件の可能性が高いです。

そんな中、耐震改修というキーワードを使えば安心感が出ると思うわけですね。

勿論、しっかりと「耐震基準適合証明書」の発行実績があれば、大きくキャッチコピーとして使って良いと思います。

耐震基準適合証明書の問合せ先

マンションの耐震基準適合証明書は、一般の建築士事務所ではなく、マンションの検査を専門で取り扱う事業者へ依頼する必要があります。

もし本当に耐震改修を行ったマンションであった場合、その改修工事に携わった建築士事務所に耐震基準適合証明書を発行してもらうのが一番スムーズと言えるでしょう。

管理組合が当時の資料を残しているはずですので、売主や売主側仲介会社を通じて管理組合に建築士事務所の連絡先を確認し、問い合わせを行いましょう。

耐震診断だけでは意味がない

耐震診断の履歴はあるものの、耐震改修工事の履歴が不明な場合は、診断だけは行ったが、工事までは実施していないケースが想定されます。

こちらも管理組合が当時の履歴を保管しているはずですので、本当に改修工事を実施したかどうかを確認して下さい。

自治体の補助制度は利用されているか

旧耐震基準のマンションで耐震改修済みの物件は、自治体による補助制度を利用している可能性が高いです。

工事に自治体が絡む場合は、耐震基準適合証明書も自治体に発行依頼しなければならない場合がありますので、証明書が発行されるまでに時間がかかってしまう恐れがありますので注意して下さい。

まとめ

耐震改修物件の注意点をお伝えしました。

いかがだったでしょうか?

そもそも、耐震診断が行われているマンション自体がとても少ないわけですので、もし「耐震改修済み物件」というふれこみのマンションを検討される際には、細心の注意が必要なのがお分かり頂けたと思います。

そして、信頼出来る担当者に相談することも重要なことだと言えます。

自社や自分の利益を第一義とする担当者の場合、こういったネガティブ情報は、言われなければ言いません。

何故なら、そういう担当者は、ネガティブ情報を伝えて購入を見送られてしまうことを恐れているからです。

まずは、信頼できる担当者探しから始めてみてはいかがでしょうか?


江戸川不動産情報館は、買主様の為の不動産エージェント「バイヤーズエージェント」として、今後も不動産関連の情報を発信していきます。

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